直径200kmのクレーターを生む衝突で放出されるエネルギーは10の31乗エルグ(広島型原子爆弾70億個分相当)と計算される。
この規模の衝突になると、ゼロ地点から1000km離れた地点の地表を数百mの高さまで波打たせるマグニチュード12〜13の巨大地震が発生する。
海面は瞬時に100mの高さまで上昇し、秒速500mで進む巨大津波(高さは1000mを超える)となって地球の半分を覆う。
ゼロ地点の温度は瞬時に数万度に上昇し、半径数千km以内のものを焼き尽くす。
約100km立方の岩石が掘り出され、100兆tの隕石と岩石が気化し、その一部は長期間大気に滞留して日光を遮断する。
巨大地震と巨大津波、そして灼熱と酸性雨の地獄を逃れた生物種の多くも、この「衝突の冬」の間にエネルギー源を絶たれて絶滅した、と推定されている。


K-T境界衝突:想像図(Newton 別冊「恐竜のすべて),Newton press,1997 より
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